困らない債務整理

ハードシップ免責

ハードシップ免責とは再生計画の遂行が極めて困難な場合に一定の要件をみたせば免責を認めるとするものです。 返済の途中で、なんらかの事情により家計の状況が急変し、支払いを続けていくのが厳しくなった場合に、借金の残高を免責=免除してもらえることができます。 この救済制度をハードシップ免責といいます。ただし、再生計画を変更し、支払い期間を延長することによって返済を続けていくことができる場合には、このハードシップ免責という手続を利用することはできません。 つまり、よほどの場合にしか許されない最後の手段ということです。 支払いが極めて困難になった場合に、下記の要件すべてを満たしていれば、消費者金融免責の申立てを行うことができます。 再生計画で定めた、支払うべき借金のうち、すでに4分の3以上を返済していること ハードシップ免責の決定をすることが、債権者の一般の利益に反しないこと 再生計画を変更しても、支払いを続けていくことが極めて困難であること ハードシップ免責の制度を利用するためには、個人版民事再生を申立てた裁判所に、免責申立書を提出します。 申立書には、返済を続けていくことができない事情などを記載し、それを証明する書類を添付しなくてはなりません。 その後、債権者の意見を聞いたうえで、裁判官が免責すべきか否かを決定します。 なお、ハードシップ免責が認められ、借金の残高が免除されたとしても、個人版民事再生を申し立てた際に、住宅資金特別条項を定めた住宅ローンについては免責されません。 つまり、住宅ローンはいままでどおり支払いを続けていかなくてはならないのです。 破産者が外国において有する財産も日本で開始された破産手続において選任された破産管財人の管理処分権が及ぶが、これは日本法の立場を宣明にしたものであり、実際に破産管財人が外国において管理処分を行うためには、当該外国が日本の破産管財人の管理処分権を承認することが必要である。 日本で破産手続がCFDされた後に、破産管財人が配当財団に組み入れなかった在外財産から満足を得た破産債権者がいる場合には、その破産債権者と他の破産債権者との間の調整を図る必要が生じ、109条・142条2項・201条4項がその調整を定めている。 2.3 固定主義(上記3) 個人の場合 個人は、破産手続開始後も経済活動を続けることができるので、破産手続開始後に得た財産を破産財団に含ませるか否かが問題となる。この点について、次の2つの立法上の主義ないし政策がある。 固定主義   破産管財人よって管理・処分される財産(財団財産)を破産手続開始の時に破産者が有する財産に限定し、その後に破産者が取得した財産を破産者の自由な処分に委ねる立法主義。 膨張主義   破産手続開始後に破産者が取得した財産も破産財団に取り込む立法主義。これをとれば、破産者の勤労所得の処遇が問題となる。勤労所得が発生する限り破産債権の完全な満足に至るまで破産手続を継続するのでは、破産者の勤労意欲が失われる。したがって、適当な時期で破産手続を終了させるために、免責許可決定が必要となる。 現行法は、手続を簡明にし、破産者の破産手続開始後の経済活動の自由を保障し、その自立を促すために、固定主義を採用した(34条1項・2項)。次のような財産は、破産者の自由財産となる。 破産手続開始後に破産者に贈与された財産 破産手続開始後に被相続人が死亡して、破産者が相続した財産 破産手続開始後の売買契約により破産者が取得した不動産(相手方の代金債権は破産債権にならないことに注意) 法人の場合 大部分の法人について、破産が解散原因であると法定されている。そのような法人が破産した場合に、破産手続開始後に破産者が新たに財産を取得することは少ないが、たとえあっても、その財産も破産手続による清算の対象となり、破産管財人によって換価され、住宅ローンへの配当原資または財団債権者への弁済原資となる。その意味で、膨張主義となる(例えば、会社が破産した場合に、元経営者が道義的責任に基づき会社に私財を提供する場合を想起するとよい)。 将来の請求権 破産法の世界では、停止条件や始期が法律上当然に付されている請求権を将来の請求権と呼ぶ。例: 保証人の求償権(保証人の弁済が求償権発生の停止条件である。例外的に、民法460条1号で、主債務者の破産の場合に要件が緩和され、事前求償ができるようになっている)。 賃借人が賃借建物を明け渡す前における敷金返還請求権(停止条件付債権とするのが判例の立場である( 最高裁判所 昭和48年2月2日第2小法廷 判決(昭和46年(オ)第357号))) 在職中の労働者が将来退職した場合に得る退職金の支払請求権  ただし、不確定期限付債権とする見解もある([加藤*2006a]121頁) 損害保険の契約者が破産手続開始決定を受けた場合に、破産手続開始後の保険事故の発生により彼が取得する保険金請求権([加藤*1927a]2頁) 破産者に属する将来の請求権も、その発生原因が破産手続開始前にある場合には、破産財団に含まれる(34条2項)。 2.4 留保財産の除外 (上記4) 原則(法定留保財産) 個人が破産した場合には、彼も社会の一員として、M&Aに必要な財産を留保されなければならない。そのような財産は、民事執行法や生活保護法、恩給法などで差押禁止財産として規定されているので、破産法は、差押禁止財産を主体とする次の財産が破産財団に属さないとの原則を設けた(34条3項1号・2号本文)。これを「法定留保財産」と呼ぶことにしよう。 民事執行法131条3号により差押えが禁止されている金銭の額(66万円)の1.5倍の額の金銭(99万円)。 民事執行法131条3号以外の規定による差押禁止財産。ただし、次の財産は破産財団に含まれる(34条3項2号ただし書)。 破産手続開始前に民執法132条1項により差押えが許可された財産[4](民執法153条は挙げられていないことに注意)[12]。 破産手続開始後に差押えが可能となった財産。  例:民執法131条12号の発明または著作で破産手続開始後に公表されたものに係る動産[6]。 34条3項1号が適用される典型例は、破産者が現金99万円を自宅やその他の場所で保有している場合である。しかし、現実には、現金を自宅等に置いている者は少なく、当座の生活資金以外は預金等の形で保有していると思われる。その点からすれば、34条3項1号にいう金銭を現金に限定すると、この規定が現実の社会生活に適合しているのだろうかという疑問が生ずる。当座の生活資金の確保という趣旨を考慮すれば、破産者の手持の現金が99万円に満たない場合には、その差額の範囲内で預貯金等の形で保有する金銭も留保財産になるとすべきである。その法律構成としては、(α)34条3項1号にいう金銭は現金に限られないと解釈してその適用があるとする方法と、(β)そこにいう金銭は現金に限定されるとしたうえで、裁判所は34条4項によりこの範囲で自由財産を拡張して預金債権もこれに含める決定をすべきであるとする方法とが考えられる。解釈論としての手堅さの点では後者の方が優れているが、34条3項1号の趣旨を直截に生かすという意味で、前者の解釈論を肯定したい。