委任状の受任者欄または委任事項欄を記載せず(白地(しろじ)にしておく)、その決定を相手方またはその他の者に任せたもの。決定を任せられた者(補充権者)が白地を補充したときに、委任状としての効力が生ずる。白紙委任状の例としては、記名株式の譲渡にあたって株券に添付される名義書換えの白紙委任状、株主総会における議決権行使の白紙委任状などがある。 という3つの要件が含まれている(後記事例は,いずれも同項前段が問題となった事例であるため,ここでは前段のみを示す)。 1供給費用を著しく下回る対価で継続して供給すること 廉売の違法性を判断するためには,まず引き下げた価格の水準が問題になる。一般指定6項前段は,「供給に要する費用を著しく下回る対価」を要件とする。 「供給に要する費用」とは,いわゆる原価を意味し,製造原価または仕入原価に一般管理費,販売費等を加えた総販売原価を指すものと解されている。また,「著しく下回る対価」とは,その商品の供給の動向,競争者の通常の販売価格などを考慮して判断されるべきであるが,総販売原価をかなりの程度下回ることが一応の目安とされている(※2)(※3)。 2他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあること 当該事業者の廉売によって,競争者が正当な企業努力によっても対抗できず,販売不振によって事業継続が困難になるおそれがあることを意味し,必ずしも他の事業者の倒産や,売上の大幅な減少等の結果の発生までは必要とされていない(※4)。 3正当な理由がないこと 前記1,2を満たす廉売は,効率性に基づく競争ではなく,市場での銀座を阻害する効果をもたらすと考えられるので,原則として違法であると考えられるが,例外的に違法と評価し得ない場合もありうる。 「正当な理由」とは,もっぱら公正競争秩序維持の見地から見た観念であり,廉売を行う意図・目的,規模,周囲の状況等を総合して公正競争秩序にいかなる影響を与えるかを,実質的に判断すべきものと解されている。 例えば,市場の状況に対応した廉売や,当該商品の市場性の変化に対応した廉売(生鮮食品を品質低下前に処分する場合,季節商品,流行遅れの商品,きず物,はんぱ物などの廉売),新規参入時の廉売,年末バーゲン等,正常な商習慣に照らし妥当と認められる場合,その廉売は,正当な理由があるものとして,不当廉売に該当しないと考えられている。 本シリーズでは,中古マンション 大阪となったり,日常的な業務の中で素朴な疑問として浮かぶことのある独占禁止法の実務上の問題点を取り上げて,理論的な背景を平易に解説しつつ,実務に取り組む際の指針を提供できるよう解説する。 公共の利益への配慮と不当廉売における「正当な理由」 事例 地方公共団体または公営企業が,公共的な目的から廉売行為を行った事案で,不当廉売の成立が争われた事例を2件紹介する。2件とも,「正当な理由」の判断にあたり,公共的な目的の存在を斟酌しており,結論としては,いずれも不当廉売の成立を否定した。 東京都と畜場事件(最判平元12.14)(※5) ア事案の概要 と畜場は,食用に供する目的で獣畜をと殺または解体するための施設で,これを中央区 マンションとすると畜業者は,湘南 不動産と民営とが競合している。と畜場使用料またはと殺解体料(と場料)については,その公共的性格および独占ないし寡占に陥りやすい性格に鑑み,顧客保護のため,都道府県知事の認可制が採られ,かつ認可額を超えると畜料の徴収が禁止されている(と畜場法8条)。東京都は,芝浦にと畜場を設置運営しており,X(と畜業者)は,東京都23区内においてと畜場を運営している。 東京都は,昭和40年以降,生体集荷量の確保および食肉価格の安定のため,認可額どおりとはいえ原価を大幅に下回る額をと場料とし,赤字分を一般会計からの補助金で補填していた。 Xは,東京都の行為が不当廉売に該当すると主張し,東京都に対し不法行為に基づいて損害賠償を請求した。 イ判旨 ・不当廉売における「正当な理由」は,もっぱらペット可賃貸・ペット可物件な競争秩序維持の見地に立ち,具体的な場合における行為の意図・目的,態様,競争関係の実態および市場の状況等を総合考慮して判断すべきものである。 ・独禁法2条1項の「事業者」の「事業」とはなんらかの経済的利益の供給に対応し反対給付を反復継続して受ける経済活動を指し,その主体の法的性格は問うところではないから,地方公共団体も,同法の適用除外規定がない以上,かかる経済活動の主体たる関係において事業者に当たると解すべきである。 ・公営企業であると畜場の営業主体が特定の政策目的から廉売行為に出たというだけでは,公正競争阻害性を欠くということはできない。しかし,東京都の意図・目的が,集荷量の確保および価格の安定を図るという政策目的達成のため,赤字経営の防止よりは物価抑制策を優先させることであり,と畜場競争関係の実態,ことに競争の地理的範囲,競争事業者の認可額の実情,と畜市場の状況,Xの実徴収額が認可額を下回った事情等を総合考慮すれば,東京都の廉売行為は,「正当な理由」がないとはいえない。 下関市福祉バス事件(山口地判平18.1.16)(※6) ア事案の概要 下関市は,タクシー以外に公共交通手段がない過疎地域に,下関市所有のスクールバスを,福祉バスとして,週に3回,住民に無償(その後一律200円に変更)で運行した。X(タクシー会社)は,福祉バスの運行が開始されたため,当該地域での売上が減少し,営業所の廃止を検討することになった。 Xは,下関市による福祉バスの運行が不当廉売に該当するとして,下関市に対し,不法行為に基づく損害賠償を請求した。 イ判旨 ・本件福祉バスは,過疎地域の住民に対する交通手段に関する利便向上を目的としたものである。Xらの事業活動を困難にする目的や市場を独占する目的を有するものではない。 ・(公正競争阻害性の判断にあたっては)目的の正当性,手段の相当性や実効性を考慮することは,当然,必要とされ,また,その判断にあたっては,行為の意図,目的,態様,競争関係の実態および市場の状況等を総合考慮することは必要であるとしても,他により制限的でない代替手段があるかどうかといった点が当然に考慮されるべきものとする根拠はない。 ・Xは,旅客の運送という共通点からすると,福祉バスの運行により売上げの影響を受けることが否定できないが,その程度は,Xを廃業に追い込むとまではいえず,運行時刻,路線,停留所,運送人数などで提供する役務内容に異なる点を有し,市場をまったく同じくするとはいえない。また,Xは,下関市からタクシー補助券などの代替措置を受けうる立場にある。このような事情を総合考慮すれば,下関市の廉売行為は「正当な理由」があるものと考えられる。